大切な「耳の健康」について~生涯を通じて聞こえを守ろう~
私たちは、言葉を学び、人とつながり、社会と関わりながら生きています。その基盤となる「耳の健康」は、生涯を通じて守っていくことが大切です。難聴は、ご高齢の方に限るものではなく、生まれつきのものや、突発的なもの、日常生活の音によるものなど、全世代にわたって起こる可能性があります。ご自身やご家族の「聞こえ」について、この機会に考えてみませんか?
ライフステージ別の「聞こえ」の対策
【乳幼児~学童期】 ~早期発見と丁寧なケアが大切~
子どもの頃の聞こえは、言葉の獲得やコミュニケーション能力の獲得に直結します。そのため、「早期発見・早期療育」が何よりも大切です。
●新生児聴覚スクリーニング検査:出生直後に検査を受け、先天性難聴を早期に発見し、適切な療育(支援)につなげます。
●各種健康診査での確認:乳児健診、1歳6か月児健診、3歳6か月児健診、5歳児健診などの機会を活用し、聞こえに心配な様子がないか確認しましょう。
●中耳炎の早期治療:子どもは「急性中耳炎」や、痛みのない「滲出性中耳炎」になりやすい特徴があります。「テレビに近づく」「呼んでも振り向かない」といったような様子が見られたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう(一時的な難聴の原因になります)。
【青年~中年期】~生活習慣と日常の音に注意~
働き世代の難聴は、環境音や生活習慣による「内耳(音を感じる器官)へのダメージ」が主な原因です。また、中年期の難聴は、将来の認知症リスクを高める要因の一つとも言われています。
●イヤホン、ヘッドホン難聴の予防:大きな音量で長時間音楽などを聞き続けると、音を伝える細胞が傷つき、難聴を引き起こします。「大きすぎる音量で聞かない」「定期的に耳を休ませる」ことを意識しましょう。
●騒音性難聴の予防(防音・遮音の徹底):工事現場や大きな音を扱う作業環境、コンサート、パチンコ店などでは、必要に応じて耳栓やノイズキャンセリング機器を活用し、耳を守りましょう。
●生活習慣病の予防:動脈硬化や糖尿病は、内耳への血流を悪化させ、聴力の低下を加速させます。特定健診などで自分の体の状態を確認し、食事や運動など生活習慣の見直しを行いましょう。
【高齢期】~「年のせい」と諦めず、早めの対策を~
年齢を重ねることで少しずつ進行するのが「加齢性難聴」です。一般的に40代頃から聴力が低下する傾向があり、65歳以上でその割合が急増します。聞こえの衰えをそのままにしておくと、社会的な孤立やうつ、心身の活力低下(ヒアリングフレイル)を招き、認知症のリスクを高めることにつながります。
●「きこえ8030(はちまるさんまる)運動(国民啓発運動)」を意識しよう:「80歳になっても30dB (通常の会話が問題なく聞き取れるレベル)の聴力を維持すること」を目指し、日頃から耳を大切にしましょう。
・「聞こえにくいな」と感じたら、まずは耳鼻咽喉科へ:セルフチェック等で気になる点があれば、年のせいと諦めず、早めに専門医を受診しましょう。
●適切なタイミングでの補聴器の活用:必要に応じて補聴器を適切に使用することで、円滑なコミュニケーションや外出の楽しみを取り戻すことができます。
●公的支援制度の活用:補聴器の購入等については、下記制度をご確認ください。






