10/18は西海橋の誕生日!西海橋架橋70周年 国重要文化財指定5周年記念シンポジウム開催
10月18日(土曜日)、西海橋架橋70周年・国重要文化財指定5周年記念シンポジウムが西彼町の「魚魚の宿」で開催されました。会場は、西海橋が見える絶好のロケーション。約100人の参加者が集まりました。
◆基調講演:西海橋の魅力
▲文化庁文化資源活用課 主任文化財調査官 北河 大次郎さん
西海橋は、長崎市と佐世保市間の陸上交通の改善や西彼杵半島地域の産業振興・開発促進のため1955年(昭和30年)10月18日に竣工。当時、戦後の物資不足の中、設計・製作・施工すべての面で卓越した若い技術者が集められ、力学的計算のもと無駄な部分を削るなど、工費を抑えながら技術的課題の克服に全力を注ぎました。
日本三大急流に数えられるこの瀬戸は、潮の流れだけでなく深さもあるため橋脚が立てられず、両岸橋台からアーチ部を組み立て、中央で接合するという工法を採用。この従来の工法に現状の地形と安全性を踏まえ改良した工法が世界初の試みとなりました。この工法による日本初の海峡横断橋として全長316mを誇り、固定アーチ橋としては世界で三番目の長さで東洋一と評されました。この西海橋の完成は、かつて「陸の孤島」と呼ばれた西彼杵半島の振興に大いに貢献し、技術者達に自信を与え、戦後の夢と希望に満ちた新たな出発点となりました。
現在も地域の交通を支え続け、構造芸術としての合理的な美しさと歴史的価値から、2020年に橋として初めて国の重要文化財に指定されています。
▲当時の架設作業の様子
◆パネルディスカッション: 「西海橋架橋の“これまで”と“これから”」
基調講演の内容を受け、パネリストの北河大次郎さん、蓮田尚さん、三池敏夫さん、稲田凪海さん、荒瀬真桜さん、コーディネーターの田中尚人さん、司会の永元早弥香さんの7名によるパネルディスカッションが行われました。
▲公益財団法人 佐世保観光コンベンション協会前・常務理事兼事務局長 蓮田尚さん
<西海橋と西海国立公園の共通点>
・どちらも1950年代に誕生(起工式:1950年、完成:1955年)
・国が認めた重要な資産(西海橋:重要文化財、西海国立公園:国立公園)
・名前に「さいかい」を冠する
・西海橋の長さは316m、西海国立公園の誕生は3月16日
まず始めに蓮田さんの提案で、会場全体で西海橋の70周年を祝う「ハッピーバースデー」の歌が合唱されました。次に西海国立公園と西海橋の共通点を挙げたり、クイズをしたりと参加者全員が楽しめるよう工夫されており、記憶に残る心温まる場となりました。
▲会場全体でハッピーバースデー♪
▲株式会社 特撮研究所 特撮美術監督 三池敏夫さん
<映画と西海橋>
特撮研究所 特撮美術監督 三池 敏夫さんは、西海橋竣工翌年の1956年に放送された長編カラー怪獣映画「空の大怪獣ラドン」に登場する西海橋について解説。ラドンが熊本(阿蘇)で誕生し、長崎を経由して福岡で暴れるという映画で、見せ場として西海橋や針尾の無線塔が登場しました。当時の映画で制作された西海橋のミニチュアは1/20サイズ。ミニチュアとはいえ橋の長さは15m、海に見たてたプールは深さ1mとかなりの大きさでしたが、背景の山も含め忠実に再現されていました。
当時、日本の特撮映画は高評価を得ており、海外の方が日本を知る手段として怪獣映画が主であり、西海橋はラドンの映画で世界に知られることになりました。映画を見た観光客が西海橋へ押し寄せたことから、観光誘致として効果的な役割を果たしたと言えます。
▲当時の撮影の様子
▲市内の若者として選抜された県立西彼農業高等学校 稲田凪海さん(左)と荒瀬真桜さん(右)
<基調講演の感想>
普段通っている西海橋が意外と長いことや工法にある両端の付け方が凄いと思いました。
西海橋クルージングにも参加して、橋を初めて下から見上げるという貴重な経験をしました。西海橋の大きさや構造の凄さを改めて実感しました。
▲西海橋クルージングの様子
▲コーディネーター:熊本大学大学院 先端科学研究部 准教授土木学会 土木史委員会 委員長 田中尚人さん
<西海橋の価値を再認識>
コーディネーターの田中さんとパネリストの皆さんで、西海橋のこれからについてディスカッションしました。ディスカッションでは、期間限定のライトアップやバンジージャンプ、西海橋の歌作成、映画ロケ地など挙げられ、高校生からも、うず潮をモチーフにしたお菓子作りや学生活動の中に西海橋について考える機会を増やしていくなど貴重な発言もありました。
田中さんは「地元の高校生と共に西海橋について考え、今日のこの場を経験してもらうことがこれからの西海橋にとっては大事」と唱え、基調講演や各パネリストからの専門的な情報を元に、これからの西海橋をどう盛り上げていくか、地域の活性化にどのように貢献しうるか、会場の参加者や高校生にもわかるように進めてくださいました。
当たり前として存在している西海橋がもし無かったらというインフラの価値を再認識すること。インフラツーリズムの観点から、夜のクルージングで雰囲気を変えるなど、ちょっと視点を変えて、うまく発信できれば、新たな価値を生み出すことができること。西海橋を若い世代へ繋げていきたいという気持ちが伝わってきました。
◆最後に
今回のシンポジウムでパネリストとして参加した高校生2人は、ご家族も喜び、お友達や学校全体が西海橋の存在を再認識するきっかけとなりました。これは、このシンポジウムの大きな成果ですね。
<当時の西海橋のここが凄い!>
・日本初の海峡横断橋
・東洋一のアーチ橋
・世界初の新工法
・戦後建設された橋として初の国指定重要文化財
・大きさの基準は東京ドームではなく西海橋
・橋のたもとに広い公園があるのは珍しい
当たり前に通っている西海橋。
西海橋の誕生日である10月18日は「おめでとう!」とお祝いしながら通ってみてはいかがでしょうか。

私が書きました!
彦坂 邦子さん
2024年に横浜から西海市に移住してきました。周りの方との会話を楽しみながら、豊かな自然や新鮮な地元の食材を満喫しています。
「地元の当たり前には魅力的な発見もあり」をコンセプトに西海市の情報を皆さんにお届けしたいと思っています。よろしくお願いします。







